住まい
8/1~8/7は「水の週間」。 水環境と循環からサスティナブルな社会を考えよう。

水は、私たちの飲み水や炊事、洗濯、風呂、水洗トイレなどの日常生活で使われるほか、農業、工業、水力発電など幅広い分野の産業で使われており、私たちの暮らしを支えています。この貴重な「水」という資源について、あらためて考えてみましょう。

1.日本の水資源はどれくらいあるの?

私たちは日常生活の中で、飲み水や炊事、洗濯、風呂、水洗トイレなどのほか、飲食店や商業施設、オフィスなどで、たくさんの水を「生活用水」として使っています。ほかにも、日本では、工場などで部品などの洗浄や冷却などのための「工業用水」や、お米をはじめとする各種農作物を育てるための「農業用水」など、いろいろな目的でたくさんの水が使われています。
日本では、これらの水は、空から降った雨や雪が源となっています。降水量の総量を体積で表すと、1年間で約6,500億立方メートル(※1)となり、琵琶湖の水の体積約275億立方メートルの24倍弱もの量となります。

数字だけを見てみると、膨大な水があるように思えますが、そのうち約2,300億立方メートルは蒸発散(※2)により使うことができません。また、残りの約4,200億立方メートルは、理論上は私たちが利用できる水ですが、日本の地形は急な場所が多くて河川が短く、さらに梅雨期や台風期に雨が集中して降るため、ほとんどの水は使われることなく海に流れるなどしてしまいます。
そのため、少雨の年では、使うことができる水の量が少なくなり、全国各地でしばしば渇水が起きています。

※1 1986~2015年のデータを基にして計算した水の量
※2 蒸発散:地表などから水が蒸発することと、植物から水分が大気中に放出される(蒸散)することの両方を含んでいます。

2.家庭で使う水はどうやって確保しているの?

私たちは、水の循環の中で、主に川から水を利用しています。上流、中流、下流の流域全体で川の水を分け合い、水道用水や農業用水などに利用しています。また、人間のほか、様々な生き物や植物などの自然も、川の水によって育まれています。

ただ、川の水には、人間の体に有害な物質やウイルス、大腸菌などの菌も含まれています。そこで、浄水場をはじめとする様々な施設をつくるなど、安全に使える水をいつでも得られるようにするために、様々な取組が行われています。

 

<家庭で使われた後の生活排水が、きれいにされて川などに戻るまで>

3.水資源を守るには?

健全な水循環を維持または回復するための施策を包括的かつ一体的に推進するため、「水循環基本法」が制定され、平成26年(2014年)7月に施行されました。

健全な水循環を守るためには、水を利用する一人一人の取組も重要です。日々の生活や産業、そして自然環境における水の大切さを改めて考え、健全な水循環を守るためにできることから始めてみましょう。

 

<「健全な水循環」のために、私たちができることの例>
(1)節水する
・洗濯の回数を減らし、まとめて洗う
・食材などを洗うときに水を流したままにしない
・歯磨きや洗顔のとき、水を流したままにしない
・髪や体を洗うとき、シャワーを流しっぱなしにしない
・水洗トイレの大小レバーを使い分ける
・風呂の残り湯は洗濯や清掃に利用する

(2)汚れのもとを流さない
・食器の油汚れは、紙で油分を拭き取ってから洗う
・食器洗いや洗濯の洗剤、シャンプーなどを使いすぎない
・排水口には水切りネットをつけて、調理くずを流さない
・食べ残し、飲み残しを減らす

(3)地域の川や水源を守る
川や湖にごみを捨てない
地域の水路や川の清掃活動や草刈り活動などに参加する
水源となる森林の間伐ボランティアなどに参加する

編集(転載作業) チームコンシェルジュ

(取材協力:国土交通省 文責:政府広報オンライン)