住まい
「緊急地震速報」  いざそのとき、身を守るために!

いつ、どこで起こるか分からない地震。その発生をできるだけ早く伝え、身を守る行動がとれるように、気象庁では、地震による強い揺れが来るときには「緊急地震速報」を発表しています。これらの情報を見聞きしたときは、素早い判断で身を守る行動をとることが大事です。
3月11日を迎えるにあたり、今年もいざというときの行動を再確認してみましょう。

1.「緊急地震速報」とは?

地震は突然襲ってきます。
ですが、大きな地震が起きたと知ってから実際に激しく揺れ始めるまでに、せめて十秒の時間があれば、頭を守るなどとっさの対応をとることで、大地震の被害をいくらかでも減らすことができるでしょう。
緊急地震速報は、大きな地震が発生したときに、地震の発生直後に地震計でとらえた観測データを素早く解析して、震源や地震の規模(マグニチュード)、予想される揺れの強さ(震度)を自動計算し、強い揺れがくることを事前に知らせる警報です。また、観測点に強い揺れが到達し、周辺地域にも強い揺れが来ることが予想される場合は、その旨あわせてお知らせします。

緊急地震速報は、最大震度5弱以上の揺れが予想されるときに、震度4以上の揺れが予想される地域に対して発表されます。また、令和5年(2023年)2月1日からは、長周期地震動階級3以上を予想した場合にも緊急地震速報が発表されます。

※長周期地震動とは、大きな地震で生じる周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が長い大きな揺れのこと

 

長周期地震動について詳しくは気象庁のホームページ「長周期地震動について」をご覧ください。

 

 

          緊急地震速報の受信方法

2.緊急地震速報を見聞きしたときにとるべき行動は?

緊急地震速報が発表されてから地震の強い揺れが来るまでは、長くても十数秒から数十秒しかありません。その短い間に何ができるでしょうか。
緊急地震速報を見たり聞いたりした際には、周りの人に声をかけながら、「周囲の状況に応じて、速やかにあわてずに、まず身の安全を確保する」ことが重要です。
地震が発生したときの適切な行動は、そのとき、その場所に応じて異なります。日頃から、いろいろな場所で地震が起こったときのことをイメージし、「今、ここで、緊急地震速報を聞いたらどう行動すべきか」を状況に応じて考える習慣をつけましょう。
ご参考までに、緊急地震速報を見聞きしたときにどのように行動すればよいか、下記に例を挙げます。

 

■緊急地震速報を見聞きしたときの行動

●家庭で屋内にいるとき

・家具の移動や落下物から身を守るため、頭を保護しながら大きな家具から離れ、丈夫な机の下などに隠れる
・あわてて外に飛び出さない
・料理や暖房などで火を使っている場合、その場で火を消せるときは火の始末、火元から離れているときは無理に火を消しに行かない
・扉を開けて避難路を確保する

 

●人が大勢いる施設(大規模店舗などの集客施設)にいるとき

・あわてずに施設の係員や従業員などの指示に従う
・従業員などから指示がない場合は、その場で頭を保護し、揺れに備えて安全な姿勢をとる
・吊り下がっている照明などの下から退避する
・あわてて出口や階段に殺到しない

 

●エレベーターに乗っているとき

・最寄りの階で停止させて、すぐに降りる

 

●屋外にいるとき

・ブロック塀の倒壊や自動販売機の転倒などに注意し、これらのそばから離れる
・ビルの壁、看板や割れた窓ガラスなどの落下に注意して、建物から離れる

 

●鉄道・バスに乗っているとき

・つり革や手すりにしっかりつかまる

 

●自動車運転中

・後続の運転手が緊急地震速報を聞いているとは限らないため、自動車運転中は、あわてて急ハンドルや急ブレーキをかけず緩やかに速度を落とす
・ハザードランプを点灯して周りの車に注意を促し、道路の左側に停止する


緊急地震速報を見聞きしても、そこであわててしまうと適切な対応ができません。緊急地震速報を活用して、いつ、どこにいても落ち着いて身を守る行動をとれるようにするためには、実際に体を動かす訓練をしておくことも重要です。

3.日頃の備えで大事なことは?

緊急地震速報や津波警報等は、災害が発生したときに、すぐに身の安全を確保するための行動をとるためのものですが、あらかじめ災害による被害を減らし、身を守るために対策しておくべきこともたくさんあります。

 

日頃の備えのポイント

●家の中の安全対策をする

地震による被害を最小限にとどめるためには、まず一人一人が地震に備えることが大切です。強い揺れがあったときには、家具やテレビなどが転倒したり、棚などから物が落下したり、窓ガラスや食器棚のガラスなどが割れたりして、大変危険です。家具を固定して倒れないようにする、ガラスには飛散防止フィルムを貼るなど、日頃から家の中の安全対策を徹底しましょう。

 

●避難場所や避難経路の確認

いざというときに、身の安全を守る行動をとったり、安全な場所に避難したりするためには、普段からの準備が必要です。ほとんどの自治体では、避難場所や避難経路などの情報を掲載したハザードマップを提供していますので、お住まいの地域や勤め先のある自治体のホームページなどでご確認ください。そしてハザードマップや地図などを見て、避難場所や避難経路、危険箇所などを確認し、実際に歩いてみて、いざというときスムーズに避難できるようにしておきましょう。

●非常備蓄品や持ち出し品などの確認

大災害により電気や水道などのライフラインが止まっても、ある程度は自力で生活できるよう、飲料水や非常食などを備蓄しておくことが大事です。また、自宅が被災して避難所で過ごさなければならない場合がありますので、避難所生活に必要なものをリュックサックなどに詰めておき、いつでもすぐに持ち出せるよう備えておきましょう。

●家族の連絡方法などを確認しておく

家族が別々の場所にいるときに地震や津波が発生した場合に備え、家庭でも、日頃から身を守るための行動や方法を確認し、家族で安全な場所の確認、そして待ち合わせ場所や非常時の連絡方法などについて話し合っておきましょう。
大きな災害が起きると被災地に電話などが殺到して通信回線がつながりにくくなります。それを避けるため、通信各社は固定電話・携帯電話・インターネットによって「災害用伝言サービス」を提供していますので、あらかじめ利用方法を確認しておきましょう。

●防災訓練に参加する

災害が発生したとき、あわてずに身を守るためには、その場その時に合わせてどのような行動を取るべきかをあらかじめ考え、行動している自分を想像することが重要です。また、そうしたイメージトレーニングをもとに、実際に自分の体を動かして、経験しておくことも必要です。地域や学校、職場などで実施される防災訓練は、そうした実戦力を身につけるための絶好の機会です。積極的に参加しましょう。

 

 

編集(転載作業) チームコンシェルジュ
(取材協力 気象庁  文責 政府広報オンライン)