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暮らしお役立ち情報 No.65

[サービスコード/P00238-00001]
ペットを飼う前も、飼ってからも考えよう 飼い主の「責任」とは?
暮らしお役立ち情報 No.65

動物と触れ合うと、心が和んだり元気になったりする―。ペットとの暮らしは、私たちの日常に幸せと彩りを与えてくれます。同時に、ペットを飼うことは、その動物の命を預かることです。飼い主には、動物が健康で快適に暮らせるようにし、最後まで飼い続ける責任があります。人も動物も幸せに暮らすために、飼い主が果たすべき責任について考えましょう。

動物が嫌われる理由は、多くが飼い主のマナーの悪さ

飼い主になるということは、ペットの命を預かることです。飼い主は、ペットを最後まで飼う責任があります。社会の中には動物が苦手な人もいますので、ルールやマナーを守り、社会や近隣に迷惑をかけないようにする必要があります。動物が嫌われる理由のほとんどは、飼い主のマナーの悪さが原因です。動物と人が共に幸せに暮らすために、飼い主の責任について考えてみましょう。

■飼い主の責任

(1)その命を終えるまで責任を持つ
飼い主は命を預かるものとして、ペットがその命を終えるまで責任を持つ必要があります。そしてペットがいきいきと生活ができるよう、その種類や習性などに応じた飼養環境を整え、健康や安全に気を配りましょう。

(2)動物の病気や感染症について正しい知識を持ち、予防に努める

動物と人の双方に感染する病気について、正しい知識を持ち、自分や他の人への感染を防ぎましょう。例えば、年に1度の狂犬病の予防接種は、狂犬病予防法によって義務付けられています。他にも、様々な病気や感染症を予防するための混合ワクチンの接種があり、定期的な健康診断を受けて病気を予防しましょう。
 

(3)他人への迷惑を防ぐ

ペットが人に危害を加えたり、鳴き声などで近隣に迷惑をかけたりしないように、種類に応じてしつけや訓練をする必要があります。また、公共の場に排泄物が放置されていると、誰にとっても不快なだけでなく衛生上も問題があるので、糞尿の始末は必ず行いましょう。

(4)むやみに繁殖させないようにする

飼い主はペットが産んだ子も飼う責任があります。むやみに子を増やさないためには、不妊・去勢手術を行いましょう。不妊・去勢手術によって病気のリスクが減り長生きする可能性を高めたり、発情期特有の大きな鳴き声などの行動がなくなるなどします。

(5)盗難や迷子を防ぐため、所有者を明らかにする

逃げ出したり、迷子になったりした場合、どこで保護されてもすぐに飼い主が分かるよう、身元を示す迷子札や鑑札などを首輪につけるとともに、マイクロチップを埋め込みましょう。

―動物の小さな小さな名札、マイクロチップ―

マイクロチップは15桁の数字が記録されている直径約1~2mm_長さ約8~12mmのチップです。専用の注射器で動物の首の皮下に埋め込み、専用のリーダーで読み取ると飼い主の情報が分かります。
令和4年(2022年)6月1日から、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫について、マイクロチップの装着・情報登録が義務化されます。これからブリーダーやペットショップなどで犬や猫を購入し、飼い主になった場合は、ご自身の情報に変更する必要があります。
なお、マイクロチップは犬や猫だけでなく、ほとんどの動物に安全に使えます。既に飼っているペットや他者から譲り受けたペットなどにも、マイクロチップの装着をお勧めします。

―犬の登録と狂犬病予防注射は飼い主の義務―

生後91日以上の犬を飼っているかたは、現在居住している市区町村に飼い犬を登録し、毎年1回、狂犬病予防注射を受けさせる義務があります。
犬の登録や狂犬病予防注射の手続きは、各市区町村で行っています。手続きをすると、犬の登録をした際には「鑑札」、狂犬病予防注射の接種を受けた際には「注射済票」が交付されます。この鑑札と注射済票は、登録された犬又は狂犬病予防注射を受けた犬であることを証明するための標識ですので、飼い犬に着けておかなければなりません。鑑札には登録番号が記載されており、もしも飼い犬が迷子になっても、装着されている鑑札から確実に飼い主の元に戻すことができます。

―ペットを捨てるのは犯罪です―

「だれか親切な人に拾ってもらってね」…。飼えなくなったペットを涙ながらに手放しても、ペットを捨てることは「犯罪」です。捨てられたペットは食べ物を得られず衰弱したり、交通事故に遭ったりして死んでしまう可能性があります。
また、外来動物のペットが捨てられた場合には、日本の生態系に悪影響を及ぼすおそれもあります。
もし、どうしても飼えなくなった場合には、新たな飼い主を探すことも飼い主の責任です。引き取ってくれる人を探しましょう。親類や知人だけでなく、SNSなどを通じて飼い主を呼びかける方法もあります。最後まで責任を持ちましょう。
なお、動物を遺棄した場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。

■ペットを飼う前に考えること

ペットの命に責任を持つのは飼い主の「あなた」です。飼い主の都合でペットを手放すことがないよう、最後まで責任を持って飼うことができるかどうか、飼う前によく考えましょう。次のチェックで、一つでも「いいえ」があるなら、「今は飼えない」「飼わない」と判断することも、動物への愛情です。

 

・ペットを飼える住宅ですか?転居や転勤の予定はありませんか?
集合住宅や賃貸住宅の管理規約でペットは禁止されていませんか。内緒で飼うと、最悪の場合、その住宅から出ていかなければならなくなります。事前の確認が必要です。また、転居や転勤の予定がある場合は、慎重に判断しましょう。


・家族全員が飼うことに賛成していますか?
ペットを飼うには、家族の理解と協力は欠かせません。「飼えないと思う」という意見が一人でも出たら、全員が賛成する環境になってから飼い始めましょう。

 

・家族の中に動物アレルギーの人はいませんか?
動物の毛などにアレルギー反応を起こす体質の人がいます。気になる場合は、飼う前に医師に相談しましょう。

 

・毎日欠かさずペットの世話に手間と時間をかけられますか?
犬や猫の平均寿命は約15年です。毎日の餌やり、糞尿の始末、散歩、しつけなどを約15年続ける必要があります。また、長期の旅行もしづらくなります。

 

・近隣に迷惑をかけないように配慮できますか?
ペットの鳴き声、臭い、糞の放置などで近隣の住民とトラブルになることがあります。トラブルを防ぐため、糞の始末は必ず行い、しつけを行う必要があります。

 

・ペットの一生にかかる費用を考えましたか?
ペットを飼い続けるためには、毎日の餌代、首輪やゲージなどのペット用品、ワクチン代や不妊・去勢手術費用、健康診断やケガや病気をしたときの治療費などの費用がかかります。例えば、犬だと年間約36万円、猫だと約18万円の費用がかかります。飼い始めてから経済的な理由で行き詰まらないよう、生涯でどのくらいの費用がかかるのか、あらかじめ冷静に考えましょう。

 

・万が一、飼えなくなった時のことを考えていますか?
突然の不慮の事故や病気などで、あなたが飼えなくなるかもしれません。万が一に備え、ペットを預けられる人や世話をしてくれる人を考えておきましょう。

 

編集:(転載作業) チームコンシェルジュ
取材協力:環境省 文責:政府広報オンライン