COOP SAPPORO コンシェルジュ

暮らしお役立ち情報 No.66

[サービスコード/P00239-00001]
11月は「みんなで医療を考える月間」。 医療機関への上手なかかり方を考えましょう
暮らしお役立ち情報 No.66

コンビニに出かけるような軽い気持ちで、夜間や休日の時間外に病院を受診していませんか?
また、何となく大きい病院のほうが安心という理由で大病院を選んでいませんか?
そのような医療機関のかかり方をすると、待ち時間が長くなったり、医療費が高くなったりするなど多くのデメリットがあります。夜間や休日に受診できる医療機関の探し方や、かかりつけ医の見つけ方など、今まで漠然としていたことを、これを機会に考えてみましょう。

上手に医療機関にかかるってなに?

病気やけがをしたときに、「どの医療機関・診療科に行ったらいいか分からない」と悩む方も少なくないのではないでしょうか。

医療機関と一口にいっても、私たちの周りには診療所やクリニック、中小病院、大学病院などの大病院など、医療設備も規模も異なる様々な医療機関があります。

診療所やクリニックは日常的な病気やけがの治療、中小病院は手術や入院が必要な場合や救急医療を要する場合、大病院は重症の救急患者や高度な医療を要する患者への医療というように、医療機能に応じた役割分担をし、連携して地域の医療を支えています。

日常的な病気や軽いけがなら、身近な診療所やクリニックを受診するのが、患者側にとっては最も便利です。しかし、中には、「地域の診療所のことはよく分からないし、大病院のほうが何となく安心する」などの理由で大病院を受診したり、「平日の昼に行く時間がないから」「夜間のほうが空いているから」などの理由で、夜間や休日に、地域の病院や大病院の救急外来を受診したりする人も少なくありません。このような医療機関のかかり方をすることで、大病院や土日祝日に外来患者が集中し、医療を受ける患者にとっても、医療機関にとっても、様々なデメリットが生じています。

 

不適切な医療機関のかかり方で生じるデメリット

▶待ち時間が増加
大病院や土日祝日に外来患者が集中することにより、診察までの待ち時間が増加します。

▶医療費・自己負担の増加
夜間や土日祝日に受診したときや、紹介状なしで大病院を受診したときは治療費以外に費用がかかるため、医療費・自己負担が増加する場合があります。

▶受けられる医療の質や安全が低下する可能性
大病院や土日祝日に外来患者が集中することにより、患者一人ひとりに対する診察時間が短くなり、医師からの丁寧な説明が受けられなくなる可能性があります。また、医師の負担が重くなり、疲労によって医療の質や安全にかかわるおそれがあります。

▶緊急度の高い患者の治療ができなくなる
救急外来は、一般の外来とは違い、夜間や休日に救命処置や入院など緊急性のある患者を対象に診療を行う外来です。しかし、緊急性を要しない軽症で受診する、いわゆる「コンビニ外来受診」が増加すると、救急搬送される緊急度の高い患者の受け入れが難しくなってしまいます。


医療機関の数、医師や看護師など医療を支える人々の数も限られています。そうした中で、質の高い医療サービスを効率的に提供するために、医療機関は機能に応じた役割分担をしています。
大病院の外来に軽症の患者が集中したり、急を要しない軽症で救急外来を受診したりすると、効率的に医療を行うことができなくなり、急病人や重症患者に対応するという救急外来や大病院が本来担う役割を果たせなくなってしまいます。必要なときに必要な医療を安心して受けられるようにするために、いきなり大病院にかからないようにする、不要不急な時間外診療(救急外来の受診)を減らすということを、私たち一人ひとりが考えて、上手に医療機関にかかることが重要です。

上手に医療機関にかかるには?

医療機関にかかるときには、すぐに大病院にかかったり、救急外来に行ったりする前に、その必要があるかどうかを考えてみましょう。また上手に医療機関にかかるために、次のようなことを心がけましょう。


▶日常的な病気は身近な診療所を受診する
緊急な医療を必要としない軽度の病気やけがであれば、身近な診療所にかかりましょう。大病院よりも近くにあって便利ですし、待ち時間も少なくて済みます。受診の際には、大病院受診時のような定額料金(※)がかからないため、医療費も節約できます。
※紹介状なしで、大病院で初診を受ける場合は5,000円(歯科の場合は3,000円)以上、他の病院・診療所への紹介を受けたにもかかわらず再度同じ大病院を受診する場合は2,500円(歯科の場合は1,500円)以上の定額料金を、診察料とは別に必ず支払うことになります。


▶時間外受診は控えて、診療時間内に受診する
休日や夜間に受診すると追加の費用がかかります。また、日中とは診療体制も異なり、検査なども十分にできないことがあります。やむを得ない場合を除き、時間外受診は控えましょう。


▶かかりつけ医をもつ
地域の診療所の中で「かかりつけ医」を決めておきましょう。「かかりつけ医」がいると、体調の変化で気になることを気軽に相談できますし、新たな病気にかかったときも、体質や過去の病歴などに照らして診察してもらえます。大病院での治療が必要な場合にも、かかりつけ医の紹介状をもっていけば、定額料金なしで受診することができます。

医療機関を探すには?

身近な医療機関やかかりつけ医を探したいときには、「医療情報ネット」を活用してみましょう。
医療情報ネットとは、住民や患者が医療機関を適切に選択するために必要な情報(医療機能情報)を、都道府県がインターネットなどを通じて提供するサービスです。
すべての医療機関は「医療機能情報」を都道府県に報告することが義務付けられており、それらは客観的な情報として医療情報ネットに集約されます。住民は、インターネットで医療情報ネットにアクセスし、地域の医療機関の情報を検索することができます。

 

インターネット上には医療機関に関する様々な情報があり、中には誤った情報や事実と異なる情報など信頼できない情報も少なくありません。信頼できる情報をもとに医療機関を選ぶためにも、都道府県が提供する医療情報ネットの活用をお勧めします。
また、薬局に関しても、医療機関と同じように検索できます。

 

医療情報ネットにアクセスするには?

お住まいの都道府県名と「医療情報ネット」のキーワードで検索できます。医療情報ネットの名称は都道府県によって異なります。

 

専門医がいる医療機関で、今すぐ受診できるところを探したいとき
(例)北海道の医療情報ネット「北海道医療機能情報システム」の場合

(1)トップページの「近くの医療機関を探す」をクリック

(2)「市区町村」を選択

(3)「診療日」を「指定あり」を選択して、今日の日付を入力
  「診療科目」を選択

救急車か病院か迷ったときは、子ども医療電話相談事業 「#8000」

子供が休日や夜間に病気になったとき、どのように対処したらよいか、病院を受診したほうがよいかどうかなどを相談できる全国共通の電話番号です。「#8000」に電話をすると、お住まいの都道府県の相談窓口に転送され、小児科の医師や看護師が子供の症状に応じた適切な対処の仕方や受診する医療機関などについて助言します。

北海道は、毎日19時00分~翌朝8時00分まで受付

(実施時間帯は都道府県によって異なります。)

 

編集:(転載作業) チームコンシェルジュ
取材協力:厚生労働省 文責:政府広報オンライン