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応急手当の知識と技術。いざというときに備えて身につけておきましょう(その2)

病気や事故などで心停止になった人を救うには、救急車が到着するまでの間に、そばに居合わせた人が速やかに心肺蘇生(そせい)などの応急手当を行う必要があります。
いざというときのために、消防本部や消防署の講習会に参加して、応急手当の知識と技術を身につけておきましょう。
3、身につけておくべき応急手当とは?
「心肺蘇生」の流れと「AED」の使い方を知っておきましょう
目の前で突然人が倒れたときや反応がないときは、すぐに「心停止」を疑いましょう。心停止を疑った場合、バイスタンダーは、すぐに119番通報し、救急車が来るまでに、速やかに心肺蘇生などの応急手当を行う必要があります。
こちらもチェック! → https://www.gov-online.go.jp/useful/202503/video-294315.html
心肺蘇生の実施方法(心肺蘇生法)
突然人が倒れたら 119番通報
(1)周囲の安全を確認する。
(2)傷病者に近づき、反応(意識)を確認する。
(3)傷病者に反応がなければ、大声で叫び応援を呼ぶ。
(4)119番通報及びAEDを現場に届けてもらうよう協力を求める。
大声で応援を呼んでも誰も来ない場合は、自分で119番通報をします。AEDがあることが分かっている場合には、AEDを取りに行きます。119番に通報すると、通信指令員が電話を通じて、バイスタンダーが行うべきことを指導してくれます。
胸骨圧迫と人工呼吸
(5)呼吸を見る。
胸とお腹の動きを見て「ふだんどおりの呼吸」をしているか10秒以内で確認します。
呼吸がないか、ふだんどおりではない場合(死戦期呼吸:しゃくりあげるように途切れ途切れの呼吸)は、心停止と判断してください。
また、「ふだんどおりの呼吸」かどうか分からない場合も、胸骨圧迫を開始してください。
(6)胸骨圧迫を30回。
(7)人工呼吸2回。
(人工呼吸を行うことができなければ省略可)
(8)胸骨圧迫30回。
上記(6)(7)を絶え間なく続けてください。
(写真提供:消防庁)
心肺蘇生は救急車が到着するまで続けます。周囲に複数の人がいる場合は、交代で行ってください。
AEDの基本的な使い方
AED(自動体外式除細動器)は、心臓がけいれんして血液を全身に送れない状態(心室細動)になった場合に、電気ショックを行うことで心室細動を取り除く医療機器です。平成16年(2004年)7月から一般の人でもAEDを使用することができるようになり、駅や公共施設を始め様々な場所に設置されています。
AEDの操作手順は、全て機械が音声メッセージを出して案内しますので、音声メッセージのとおりに行えば、簡単に操作できます。
(1)電源を入れる。(ふたを開けると、自動的に電源が入るタイプのAEDもあります。)
(2)パッドを貼る。
パッドを貼る場所は、パッドに図で表示されているので、図のとおり傷病者に貼り付けましょう。
貼り付けるときは、次の点を確認しましょう。
- 皮膚が濡れていないか→濡れていたら、乾いた布などでふき取ってください。
- 貼り薬などが貼られていないか→貼られていれば、はがしてください。薬剤が残っていたらふき取ってください。
- 心臓ペースメーカーなどが埋め込まれていないか→胸に硬い「こぶ」のような出っ張りがあればそこを避けて貼り付けてください。
(3)コネクターを指定された場所に差し込む。
AEDが心電図を解析し、電気ショックが必要な場合は、自動的に充電します。
(4)放電ボタンを押す。
充電が完了すると、音声メッセージで次の行動を指示します。「放電してください」などのメッセージが流れたら放電ボタンを押しましょう。このとき、必ず自分と周りの人は傷病者から離れ、触れないようにしましょう。
電気ショック実施後は、直ちに胸骨圧迫から心肺蘇生を再開してください。
(写真提供:消防庁)
Q「ショックは不要です。」という音声メッセージが流れたら?
AEDはショックが必要かどうか自動的に判断します。必要ない場合は「ショックは不要です」という音声メッセージが流れます。その場合も、直ちに胸骨圧迫から心肺蘇生を再開してください。
(注)参考:「JRC蘇生ガイドライン2020」
編集:チームコンシェルジュ
取材協力:消防庁 文責:内閣府政府広報室