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不動産の相続登記義務化!過去の相続分は?所有不動産を一覧的にリスト化する新制度も開始!(その3)

POINT
不動産の所有者が亡くなったときに、不動産の名義を亡くなったかたから相続人へ変更する「不動産の相続登記別ウインドウで開きます」が義務化されていることをご存じでしょうか?また、相続登記の手続きの負担軽減や登記漏れ防止のため、令和8年(2026年)2月2日から「所有不動産記録証明制度」が始まり、例えば、亡くなった親(被相続人)から不動産を相続した子(相続人)が、登記記録(登記簿)上、親が所有者となっている不動産を一覧的にリスト化した証明書を簡単に入手できるようになります。そのほか、既に土地をお持ちの場合や近隣に所有者の分からない土地があるなど、様々な手続きや見直された制度をご紹介します。

4、所有者不明土地の近隣のかたへ、隣地から伸びる木の枝などの問題や土地を利用するには

以上で述べてきたように、相続などで不動産を取得した相続人が相続登記をしなかったことや、不動産の所有者が住所等の変更登記をしなかったことなどから、所有者不明土地が発生しています。
所有者不明土地とは、必要な調査を尽くしても所有者が分からない、又は所有者が分かっていてもその所在が不明で所有者に連絡がつかない土地のことです。
この所有者不明土地により、近隣の環境や治安の悪化、土砂崩れなどの防災対策が必要な場所であっても工事ができない、公共事業のための用地買取り交渉ができずに土地が有効活用されないなどといった問題が発生します。そこで、所有者不明土地を円滑に利用するために、次のような制度の見直しが行われました。

 

土地・建物に特化した財産管理制度の創設

 

所有者不明土地・建物や、管理不全状態にある土地・建物を対象に、個々の土地や建物の管理に特化した財産管理制度が設けられ、利害関係人が地方裁判所に申し立てることにより、土地・建物の管理を行う管理人を選任してもらうことができるようになりました(令和5年(2023年)4月1日施行)。

 

隣地使用等に関する見直し

 

隣地の所有者やその所在を調査しても分からない場合であっても、隣地の利用や枝の切取りなどをしやすくできるよう、次のような隣地に関する制度の見直しが行われました(令和5年(2023年)4月1日施行)。

 

  1. 所有者が不明な土地から木の枝などが越境してきた場合、越境された土地の所有者がみずから枝を切除することが可能になりました。
  2. 水道やガスなどのライフライン設備を自己の土地に引き込むため、導管設備を他人の土地に設置する権利や、他人の所有する設備を使用する権利が明確化されました。

 

共有不動産の変更や譲渡は

 

共有状態にある不動産について、所在が分からない共有者がいる場合であっても、共有物の利用や共有関係の解消をしやすくできるよう、次のような制度の見直しが行われました(令和5年(2023年)4月1日施行)。

 

  1. 軽微な変更(砂利道をアスファルト舗装するなど)であれば、共有者全員の同意は不要となり、持分の過半数で決定できるようになりました。
  2. 所在不明の共有者がいるときは、他の共有者が地方裁判所に申し立て、その決定を得て、他の共有者の持分の過半数により管理行為をしたり、所在不明の共有者の持分を他の共有者が取得又は所在不明の共有者の持分を含めて第三者に譲渡したりすることができるようになりました。
    (注:所在不明の共有者の持分の取得・譲渡には、持分に応じた時価相当額の供託が必要です。)

 

以上3章及び4章で紹介した、所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直しについて詳しく知りたいかたは、次のウェブサイトをご覧ください。
法務省「所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)

コラム:固定資産税は納付していても、相続登記は済んでいないケースも

 

不動産を相続後、不動産に係る相続税や固定資産税などの支払いはしていても、相続登記の手続きは行われていないケースがあります。令和9年(2027年)3月末まで、相続した不動産の価額が100万円以下の土地などに係る登録免許税の免税措置がありますので、速やかに相続登記を行いましょう。

法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」

 

まとめ

 

所有者不明土地の増加は、周辺の住環境や治安の悪化のほか、防災工事や公共事業、市街地開発の妨げになるなどの弊害を招きます。高齢化の進展により所有者不明土地の状況は今後ますます深刻化するおそれがあり、政府は喫緊の課題として、その発生予防と不動産利用の円滑化を図る対策を進めています。ご自身に必要な制度を知り、不動産を相続した時などに活用しましょう。

 

編集:チームコンシェルジュ
取材協力:法務省 文責:内閣府政府広報室