COOP SAPPORO コンシェルジュ

暮らしお役立ち情報 No.8

[サービスコード/P00128-00001]
「えっ?そんな小さいもので?」子供の窒息事故を防ぐ!
暮らしお役立ち情報 No.8

その多くは家庭内で発生する幼い子供の窒息事故。子供は生後5~6か月から手にしたものを何でも口に運ぶようになります。「こんな小さいもので?」「こんな形で?」と思うようなおもちゃや食べものが窒息の原因になります。窒息事故を防ぐために注意すべきこと、そして、もし窒息が起きてしまった場合の対処法をご紹介します。

子供の窒息の原因は?

家庭で起こる子供の事故の中でも、「窒息事故」は特に0歳~3歳の小さな子供に多い事故です。子供は生後5~6か月ごろから、手につかんだものを何でも口に持っていくようになります。これは子供の成長の発達段階で自然な行動ですが、小さな子供はのどが狭く、飲み込んだり吐き出したりする力が弱いため、口に入れた物でのどを詰まらせ、誤嚥(ごえん)※や窒息を起こすことがあります。

※誤嚥(ごえん)
食べものまたは異物が、何らかの理由によって、誤って気管に入った状態で、「むせる」、「せき込む」、「息苦しくなる」等の症状を伴うことが多い。

死亡事故につながる窒息

窒息は放置すれば死に至る危険な事故です。厚生労働省の「人口動態統計」によると、平成29年の不慮の事故による死亡数は、0歳児と1~4歳児ともに窒息が1位となっています。

誤嚥(ごえん)や窒息の原因になるものは?

小さな子供の口の大きさは直径約4cm。これより小さく、子供の口の中に入るものは何でも誤嚥(ごえん)や窒息の原因になる可能性があります。特に多いのが、家庭の中で子供の手の届くところにある小さなおもちゃです。スーパーボールや木製のおもちゃなどを飲み込んで窒息した事例があります。特に、6~20mmの大きさのおもちゃは、子供が口に入れると、のどに詰まらせやすく窒息のおそれがありますので、注意してください。
また、このほか、あめ玉やこんにゃくゼリー、ピーナッツなどの食べ物、文房具や硬貨、ボタンなど、家庭の中の様々なものが窒息の原因となっています。

窒息したときの症状は?

大人が目を離したすきに、子供が異物を飲み込んでいる場合があります。異物が気道に入り、窒息すると短時間で命にかかわる重い症状になってしまいます。子供が異物を飲み込んだときには、次のような変化が現れることがあります。

子供の窒息事故に気づいたらすぐに「救急車を呼び」、救急車が到着するまでの間は「応急処置を続ける」ことが必要です。
子供を窒息事故から守るために、事故を未然に防ぐためのポイントと、万一、窒息事故が起こったときの応急処置を覚えておきましょう。

もし、のどにものが詰まってしまったときの応急処置は?

もしも、子供がおもちゃなどのものを飲み込んでしまい、のどに詰まってしまったときは、命にかかわります。一刻も早い応急処置が必要となります。
多くの場合、窒息が起こってから、3~4分で顔が青紫色になり、5~6分で呼吸が止まり、意識を失います。そして、心臓が止まり、大脳に障害が起こり、さらに15分を過ぎると脳死状態になります。
窒息に気づいたら、すぐに救急車を呼び、救急車が来るまでの間、詰まったものを吐き出させるための応急処置をすることが非常に重要です。

子供がものをのどに詰まらせたときの応急処置

小さなお子さんがいらっしゃるご家庭の方は、万一のときに備えて、窒息のときの症状と対処法を覚えておきましょう。
また、最寄りの消防署や日本赤十字社などでは、専門家による講習会を行っています。こうした講習会に参加して、実際に体で覚えておくとより安心です。
救急車が来る前に、のどに詰まったものが取り出せた場合も、念のために小児科や耳鼻科で診察を受けるとよいでしょう。

窒息事故を防ぐためには?

子供の窒息事故を防ぐためには、小さなおもちゃなど窒息の原因になる可能性のあるものを、子供の口に入れさせないようにしなければなりません。
そのために、次のようなことに気を付けてください。

①子供の口に入る大きさ(直径約4cm未満)のものを周りに置かない

子供の口の大きさは3歳児で直径約4cm。これより小さいものは子供の口にすっぽり入り、窒息の原因になる危険があります。直径4cm未満のものは子供の周りに置かないようにしましょう。
おもちゃなどが飲み込む危険がない大きさかどうかを確認する際は、市販の誤飲チェッカーを利用すると便利です。

②子供の手が届かない場所に置く
おもちゃや小さな部品など、子供が口に入れて危険なものは、床に置いたままにせず、子供の手が届かない場所に片付けましょう。
子供の手が届く範囲は、手の届く範囲と台の高さを足した長さで、1歳児では約90cm、2歳児では約110cm、3歳児では約120cmです。これを目安にして、より遠い(より高い)場所に置いて、子供が触れないようにしましょう。

このように、ふだんから子供の窒息事故が起こらないように注意するとともに、万一、事故が起こったときの応急処置を身につけておきましょう。

編集・脚本 チームコンシェルジュ

<掲載内容の情報源・根拠>
・政府広報オンライン
「えっ?そんな小さいもので?」子供の窒息事故を防ぐ!

・内閣府
「平成27年版 子ども・若者白書(全体版)」第1節 事故・災害

・厚生労働省
平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況