COOP SAPPORO コンシェルジュ

暮らしお役立ち情報 No.35

[サービスコード/P00175-00001]
いまからでも大丈夫!元気な老後を過ごすために、積極的に体を動かそう!
暮らしお役立ち情報 No.35

車やエレベーターなどの発達で、便利になった現代社会。その反面、人間の運動機能の衰えが問題になっています。健康で生き生きとした老後を迎えるために、日々の生活に意識して運動を取り入れていきましょう。

「寝たきり」にはなりたくない

高齢化社会と言われる現代。平均寿命がどんどん伸びている中、多くの高齢者にとって、いちばん恐れている自分の未来像は「要介護」や「寝たきり」の状態になることだと言われています。
しかし実際には「寝たきり」の人口は増え続けており、また、その半数近くが3年以上も「寝たきり」の状態が続いています。

資料:厚生省大臣官房統計情報部「国民生活基礎調査」(平成10年)より当サイトにて作成

長生きしたいとは思っても、何年も「寝たきり」の状態で生きていくのは、本人にとっても、ご家族にとっても嬉しいこととは言えませんね。行きたい場所に行って、見たいものを見て、食べたいものを食べる、そんな元気で悠々自適な老後を過ごしたいとは、誰しもが願うことだと思います。

介護が必要になる主な原因

厚生労働省の調査では、介護が必要になった主な原因として「認知症」が18.7%と最も多く、次いで、「脳血管疾患(脳卒中)」15.1%、「高齢による衰弱」13.8%、「骨折・転倒」12.5%となっています。

資料:内閣府「平成30年版高齢社会白書」より当サイトにて作成

「認知症」「脳血管疾患(脳卒中)」については、生活習慣病とも言われており、生活習慣を見直すことで予防や改善の可能性があります。
「高齢による衰弱」はある程度仕方のないことかもしれませんが、続く「骨折・転倒」については、もし転ばないでいられたら、未来は「寝たきり」ではない可能性が大きくなります。

転倒・骨折

高齢者の骨折の原因で最も多いのは、転倒によるものです。転倒は高齢者のけがの原因の約8割を占めています。
また、東京消防庁によると、「ころぶ」事故で救急搬送された人の4割が入院の必要がある中等症以上と診断されています。
入院している間、筋肉は動かさないとどんどん衰えてしまいます。その結果、けがが治るころには、自力で立ち上がることや歩くことが困難な状態になってしまいます。「ころぶ」事故が怖いのは、けがをすることだけではなく、治療している間に、どんどん筋肉が衰えてしまうことだとも言えるでしょう。

私たちの筋肉は、生まれてから急激に成長し、そのピークは30歳前後と言われています。そして40歳を過ぎるとどんどん減少し、80歳になるとピーク時の半分近くまで減少するという説もあります。
筋肉の減少は移動機能とバランス能力を低下させ、転倒をおこしやすくします。

また、加齢とともに減少していくものに、骨量があります。骨量が減少すると、骨の中がスカスカになってしまい、非常にもろい状態になります。そのため、軽い転倒やわずかな打撲でも簡単に骨折してしまうのです。
体内では、男性ホルモンや女性ホルモンから変換されるエストロゲンが骨の量を調整しています。女性は、閉経すると女性ホルモンの分泌が減少しますから、それにともなってエストロゲンも減少します。女性は男性の約3倍、また、80歳代の女性のほぼ半数が骨粗鬆症だとも言われています。

あきらめないことが大切

筋肉と骨を強くするには、食事と運動の生活習慣の改善が大切です。
筋肉を作るたんぱく質、骨を作るカルシウムはもちろん、それらの吸収を助けるビタミンも積極的に摂りましょう。そのためには、何かに偏った食事ではなく、バランスよく食べることが重要です。
また、日常で少しずつ体を動かすように心掛けたり、ウォーキングや筋力トレーニングを適切に行ったりすることにより、高齢者でも筋量や骨量を増やすことができます。今からでは遅いと諦める必要は全くありません。
最近では、家の中でも気軽にできる筋力トレーニングの方法など、インターネット上の動画でもたくさん公開されています。気軽に外出することが難しい時期ですが、それを逆手に取って、お家で筋トレを楽しんでみるのはいかがでしょうか。


編集・脚本 チームコンシェルジュ

〈参考文献〉

武内 正典『55歳からはお尻を鍛えれば長生きできる』2011年 講談社
本橋 恵美『身体機能が10歳若返る 大人の体幹トレーニング』2012年 永岡書店
深代 千之『大人の「運動音痴」がみるみるよくなる本』2012年 すばる舎
「実家の片付け」プロジェクトチーム『新相続税対応!完全版実家の片付け方』2015年 KADOKAWA
東京消防庁「救急搬送データから見る高齢者の事故」