暮らし
あなたもゲートキーパーに!大切な人の悩みに気づく、支える

食事量が減った、普段より疲れた顔をしている、ため息が目立つ、口数が減った・・・、
家族や仲間など身近な人が「いつもと違う」様子ということはありませんか?
周囲が気付かぬうちに一人で大きな悩みを抱えて、精神的に追い詰められ、最悪の場合は自ら命を絶ってしまうことも。
大切な人の命を守るために、「いつもと違う」様子に気づいたら、勇気を出して声をかけてみませんか?

1、自殺者は減っていないの?

「本気で自殺を考えたことがある人」は4人に1人

人の「命」は何ものにも代えがたいものです。しかし、自殺者は後を絶ちません。

厚生労働省が令和3年度に実施した意識調査によると、4人に1人(※)が「これまでに本気で自殺を考えたことがある」と回答しています。たとえ自分自身は自殺を考えたことがなくても、自殺を考えるほどの悩みを抱えている人が周囲にはいるかもしれません。
自殺の背景は、病気や障害などの健康問題、失業や倒産、多重債務、長時間労働などの社会的・経済的問題、職場や学校、家庭の問題といった様々な社会的要因が複合的に絡み合い、心理的に追い込まれてしまった末のものです。

2、自殺につながるサインや状況とは?

元気がない、口数が減った、いつもと様子が違うときは要注意

様々な悩みを抱えることによって精神面だけでなく、体や日常行動にも影響を及ぼすこともあります。例えば、元気がなくなった、食事量が減った、よく眠れていない(普段より疲れた顔)、ため息が目立つ、口数が減ったなど、いつもと違う様子ならば特に注意が必要です。
また、自殺者の多くは、多様かつ複合的な要因が連鎖する中でうつ病(下記参照)などの精神疾患にかかっていたことも分かっています。
自殺につながるサインとしては、次のようなことが挙げられます。

3、「いつもと違う」に気づいたら?

まずは勇気を出して「声かけ」を。接し方のポイントは「り・は・あ・さ・る」

もしも、いつも顔を合わせる人が最近元気ないなど、いつもと違っていたら・・・。まずは勇気をもって、「どうしたの?」「よく眠れている?」などと声をかけてみませんか。「周囲が手を差し伸べ、話を聞くこと」によって、結果として自殺を考えた本人がそれを乗り越えられることにもつながっています。
また、うつ病などの心の病気が疑われる場合は、早めに医療機関やカウンセラーなど専門家への相談が大事です。本人を理解してくれる家族、友人などの周囲と連携して、専門家への相談に一緒について行くなどによって促しましょう。

悩んでいる人への接し方については、メンタルヘルス・ファーストエイド(※)による心のサポートが役立ちます。これはメンタルヘルスの問題をもつ人に対して、適切な初期支援を行うための5つのステップからなる行動計画のことで、「り・は・あ・さ・る」と覚えられます。
※メルボルン大学オリゲン研究センターの研究者であるベティ・キッチナー氏とアンソニー・ジョーム氏が開発。