暮らし
乳幼児のおもちゃを選ぶときは必ず確認!知っておきたい「子供PSCマーク」

こどもが遊ぶおもちゃが本当に安全なのか、心配になったことはないでしょうか。小さなこどものおもちゃによる事故は毎年のように発生しています。事故を未然に防ぐため、令和7年(2025年)12月25日から3歳未満の乳幼児向けのおもちゃの安全性を確保する新たな取組が始まります。おもちゃを買うときにチェックしたいポイントと、遊ぶときの注意点についてご紹介します。

1、おもちゃによる事故を防ぐために

おもちゃの誤飲による事故の約9割が3歳未満

 

乳幼児期のこどもは好奇心や探究心が旺盛で、いろいろな物を口に入れる、手・足・頭など体の一部を物の中に入れる、物を強く叩くなどといった行動が見られます。そのため、おもちゃの小さな部品を誤って飲んでしまったり、とがった部分を体に突き刺してしまったり、おもちゃに指を挟み込んでしまったりする事故が毎年のように発生しています。特に、命に関わるおそれのある誤飲事故、窒息事故の約9割が3歳未満の乳幼児です。

強力な磁石を組み合わせたマグネットセットや、水を吸収すると大きく膨らむ吸水性のボールは、誤飲した場合の被害が重大なことから、令和5年(2023年)から磁石の大きさや磁力、ボールの膨張率などが技術基準を満たさないものは販売ができなくなっています。こどもが複数の磁石を誤飲し、腸壁を挟んで磁石がくっつき腸壁に穴を開ける、ボールが消化管の中で膨らみ腸閉塞となるなどのおそれが生じ、開腹手術に至る事例が発生しています。これらの製品が自宅等にある場合は、こどもに触らせないよう注意してください。

「子供PSCマーク」は安全なおもちゃの証

 

近年ではインターネット上で、海外から安全が保証されていない製品を簡単に購入できる環境にあります。こうした現状を受け、こどもが使用する製品の安全を確保するため、消費生活用製品安全法などの改正が行われ、3歳未満の乳幼児向けのおもちゃを対象に新たな規制が運用されます。これにより、令和7年(2025年)12月25日以降に製造又は輸入される製品は、国の安全基準への適合と、対象年齢や使用上の注意事項の表示が義務化されます。これらの基準を満たした証として「子供PSCマーク」が導入され、おもちゃへの表示が必要となりました。

ただし、規制開始以前に製造・輸入された製品は、子供PSCマークが無くても販売できることとなっています。その場合は、STマークの付いた製品をお勧めします。STマークは、おもちゃメーカーなどが加入する一般社団法人日本玩具協会が「安全面について注意深く作られたおもちゃ」として推奨するものです。なお、子供PSCマークは法令に基づく強制規格ですが、STマークは玩具業界による自主規制として、昭和46年(1971年)に創設されました。

おもちゃによる事故を防ぐためには、マークの付いた安全な製品を選ぶだけではなく、対象年齢と使用上の注意を正しく守ることが大切です。

2、おもちゃの対象年齢や使用上の注意事項をチェック

こどもの年齢に合ったおもちゃを選ぼう

 

3歳未満の乳幼児向けとして販売されるおもちゃには、対象年齢の表示が義務付けられています。おもちゃの誤飲などによる事故を防ぐには、対象年齢をしっかり確認し、こどもの成長段階に応じたおもちゃを選ぶことが大切です。

ふだんから安全の意識を

おもちゃで遊ばせるときは、使用上の注意を必ず守りましょう。警告表示には、「破れたゴム風船を口に入れないよう注意する」、「おもちゃの可動部に指を挟まないよう注意する」といった注意事項が記載されています。これらの注意事項を必ず確認し、安全な環境でこどもに遊ばせましょう。また、きょうだいのいるご家庭では、年上の子のおもちゃの対象年齢が年下の子の年齢よりも高い場合、年下の子には遊ばせないよう置き場などに注意しましょう。