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暮らしお役立ち情報 No.4

[サービスコード/P00122-00011]
2-4.部位別がん検診の実際・肺がん検診
暮らしお役立ち情報 No.4

男女ともに、40歳以上は年に1回、肺がん検診を受けましょう。(公開日:2018年9月20日)

1.肺がん検診の方法

肺がんの予防には禁煙が何といっても重要で、検診の効果は限られています。
肺がんの検診方法として“効果がある”と判定されているのは「胸部エックス線検査」と、さらに喫煙者には「喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん)」を組み合わせた方法があります。「喀痰細胞診」は単独では行いません。検査対象となるのは、50歳以上で、喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上の方です。現在喫煙されている方だけではなく、過去に喫煙していた方も対象になります。


1)胸部エックス線検査と喀痰細胞診の併用(“効果あり”=○)

「胸部エックス線検査」は、肺全体のエックス線撮影です。「喀痰細胞診」は、主に喫煙者を対象として「胸部エックス線検査」に併用して行います。喀痰を採取して、気管支などのがんから痰に混じって出てくるがん細胞の有無を、顕微鏡で観察します。喫煙者などに発生する太い気管支の扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんなどは、この検査で診断をつけられることがあります。
「胸部X線検査」と「喀痰細胞診」の組み合わせによる検査の感度(がんがある人を正しく診断できる精度)は、70%前後です。


2)胸部CT検査(“効果不明”=△)

CTスキャナーと呼ばれる検査装置の寝台に横になり、エックス線を用いて検査します。1回息を止めている間に、肺全体を連続的に撮影することが可能で、ミリ単位で画像を作成します。

2.肺がん検診の精密検査

胸部エックス線検査(一部は喀痰細胞診併用)では、約3%が「精密検査が必要」という判定を受けます。この場合、必ず精密検査を受けることが求められます。
精密検査の方法は、CT、気管支鏡などがありますが、その方法は“疑わしい病変の部位”、“悪性の可能性の有無”により選択されます。


1)胸部CT検査

病変が疑われた部位を、CTによって詳しく撮影します。このため造影剤を注射したり、検査に時間がかかることがあります。

 

2)気管支鏡検査

気管支鏡を口から気管支に挿入して、病変が疑われた部位を直接観察します。必要に応じて細胞を採る検査をすることがあります。採取した細胞は、悪性かどうかを診断します。

3.肺がん検診の結果を受けて、次回の検診は

[検査で異常なしの場合]

40歳以上の方は、年1回、胸部エックス線検査による肺がん検診を受けましょう。

 

[精密検査でがん以外の病気が指摘された場合]

治療が必要か、経過観察が必要かを、担当医と相談してください。
治療や経過観察が必要な場合には次回のがん検診は不要ですが、担当医の指示に従って、必要な検査を受けてください。

4.参考文献

1.厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」
2.国立がん研究センターがん予防・検診研究センター;有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン2014年度版
3.平成16年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班;有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
4.平成18年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班;有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン
5.平成20年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班 平成21年度厚生労働省がん研究助成金「「がん検診の評価とあり方に関する研究」班;有効性評価に基づく子宮頸がんガイドライン
6.国立がん研究センターがん予防・検診研究センター;有効性評価に基づく乳がん検診ガイドライン2013年度版

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編集・脚本 チームコンシェルジュ

<掲載内容の情報源・根拠>
・国立がん研究センター
 がん情報サービス