COOP SAPPORO コンシェルジュ

暮らしお役立ち情報 No.4

[サービスコード/P00122-00015]
2-8.乳がん検診の勧め
暮らしお役立ち情報 No.4

乳がんは40歳から50代の女性における最も多いがん死亡原因となっています。早期発見・早期治療のために、乳がん検診を受診しましょう。(公開日:2018年9月20日)

1.乳がんの状況

1)40歳から50歳代の乳がんがふえています

わが国では、1年間におよそ53,000人の女性が乳がんと診断されています。このことは、胃がん、大腸がんと並んで、女性に最も多いがんの1つであることを示しています。乳がんの特徴は、40歳から50歳代の女性に特に多くみられることです。例えば、45歳から49歳の女性で、胃がんと診断されるのは1年間で3,000人に1人なのに対して、乳がんは1,000人に1人と約3倍のリスクがあります。また、40歳から50歳の乳がん発生率は、この20年間で約2倍に増加しています。一方、乳がんで亡くなる女性は1年間に12,000人で、40歳から50歳代の女性におけるがん死亡の25%を占めており、この年代の女性にとって最も多いがん死亡原因となっています。

2)欧米との比較

マンモグラフィによる乳がん検診は、乳がん死亡率を減らすという意味で、有効であることが科学的に確認されています。多くの先進諸国では、マンモグラフィによる乳がん検診が推奨されており、アメリカでは40歳から64歳の女性の50%が、イギリスでは50歳から70歳の女性の70%以上がマンモグラフィを受診しています。その結果、アメリカやイギリスでは、乳がん発生率が増加しているにもかかわらず、乳がん死亡率は減少し続けています。わが国では、40歳以上のマンモグラフィや乳房超音波による乳がん検診の受診率は20%程度です。この結果、わが国では乳がん発生率が増加し、それに比例する形で乳がん死亡率も増加し続けています。

2.マンモグラフィによるがん検診

1)マンモグラフィとは

マンモグラフィは、乳房を片方ずつ、X線フィルムを入れた台と透明なプラスチックの板で挟んで、乳房を平らにして撮影します(これを圧迫といいます)。圧迫により、乳房内部の様子を鮮明に写し出すことができ、さらに、放射線被ばく線量を少なくすることができます。圧迫の際に痛みを伴うことがありますが、痛みの感じ方は人によって違います。検査全体は10分程度かかりますが、圧迫をしている時間は数十秒です。生理前の1週間を避けると痛みが少ないようです。乳房の大小にかかわらず、撮影は可能です。マンモグラフィにより、視触診ではわからない早期がんの発見が可能になります。マンモグラフィで発見される乳がんの70%以上は早期がんで、乳房温存手術を受けることができます。

2)視触診(乳房やわきの下をみる、触る)による検査を併用します

マンモグラフィは正確な検査ですが、乳腺組織の発達した閉経前の女性の場合には、小さな影が見にくくなる場合があります。これを補うために、医師による視触診を併用します。


 
3)2年に1回の受診をお願いします

2年に1回の受診でも、毎年受診した場合とほぼ同様の有効性が示されています。ただし、受診後でも、新たにしこりを触れた場合には、速やかに乳房疾患の診療を専門とする乳腺外科等の医師を受診するようにしてください。


 
4)精密検査は必ず受けましょう

マンモグラフィ(視触診併用)による乳がん検診を受けると、通常、受診者の8%の方に精密検査が必要となります。精密検査を受けた人の中で、乳がんと診断されるのはおおよそ4%です。すなわち、受診者のうち0.3%の方が乳がんと診断されます。精密検査が必要と言われたら、必ず受診しましょう。

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編集・脚本 チームコンシェルジュ

<掲載内容の情報源・根拠>
・国立がん研究センター
 がん情報サービス