COOP SAPPORO コンシェルジュ

チームコンシェルジュ No.5

[サービスコード/P00123-00001]
ご用心!抗菌薬が効かない「薬剤耐性」が拡大!
チームコンシェルジュ No.5

現在、薬剤耐性(AMR)によって世界では年間70万人が死亡しています。このまま何の対策も講じなければ、約30年後には1,000万人が死亡すると予想され、がんの死亡者数を上回る可能性があります。

感染症とは

細菌やウイルスなどの病原体によって引き起こされる病気のことを「感染症」といいます。こうした感染症の中で、細菌が原因で引き起こされる病気に有効なのが、原因となる細菌などを殺したり、その増殖を抑制したりする働きを持つ「抗菌薬(抗生剤、抗生物質)」です。
また、ウィルスは細菌とは違い、大きさや仕組みが異なるので抗菌薬は効きません。抗ウィルス薬はまだ少数しか開発されていません。

薬剤耐性(AMR)とは

特定の種類の抗菌薬が効きにくくなる、または効かなくなることを、「薬剤耐性(AMR)」と言います。
1980年以降、従来の抗菌薬が効かない薬剤耐性を持つ細菌が世界中で増えてきており、すでに、抗菌薬への耐性を持つ様々な細菌が確認されています。耐性菌が増えると、抗菌薬が効かなくなることから、これまでは、感染、発症しても適切に治療すれば軽症で回復できた感染症が、治療が難しくなって重症化しやすくなり、さらには死亡に至る可能性も高まります。

薬剤耐性はどのように起こるのか

抗菌薬は、私たちにとってそこまで大きな毒性はありませんが、細菌にとっては猛毒です。そのため、細菌はあの手この手でその毒から逃げ延びようとします。とは言え、耐性を獲得しようとする細菌は、自分の能力を一部変化させることにエネルギーを費やすため、ほかの多数派の細菌の中で、少数派として細々と活動していることが多く、私たちの体にすぐに病気を起こすわけではありません。
しかし、多数派がある日突然なくなってしまったらどうでしょうか。この「多数派が突然なくなる」という状況が、「抗菌薬投与」なのです。多数派の細菌には、抗菌薬が効きます。抗菌薬投与により大多数の細菌がやられてしまうと、抗菌薬に対する耐性を得ていた少数派の細菌は、のびのびとどんどん増えることができるようになります。

耐性菌は世界中で増えています

抗菌薬の投与により抗菌薬の効く細菌が減少し、耐性菌が増殖しやすくなります。
ここで大切なのは、投与される抗菌薬がどのくらいいろいろな菌に効果があるかと、どのくらいの量が投与されるかです。抗菌薬がいろいろな菌に効けば効くほど、耐性菌の活躍を抑えてくれる菌がいなくなってしまいます。幅広い菌に効く抗菌薬は一見優れているようにみえますが、ときに必要な菌たちも殺してしまうのです。
また、例えば5日間飲むべき抗菌薬をよくなったから1日でやめてしまった、本当は1日3回飲まなければいけない抗菌薬を1回でやめてしまったなど、抗菌薬が中途半端に効いた状態になると、さらなる問題が起こります。しっかり使っていればやっつけられていたはずの耐性菌が生き残り(耐性菌の中には全く薬が効かない菌だけでなく、十分な量を使えば倒せるものもいるのです)、薬に弱い菌だけがいなくなるという、「耐性菌に甘く、耐性をもたない菌に厳しい」環境が体にできあがります。
こうして生まれた耐性菌が周囲の人々に感染していくことで、薬剤耐性は広がっていきます。そして、抗菌薬の効かない細菌が広まることで、感染症に対する有効な治療法がなくなってしまうのです。
2013年、薬剤耐性に起因する死亡者数は低く見積もって70万人です。このまま何も対策を取らない場合、2050年には1000万人が死亡すると推定されています。現在、がんによる死亡者数はおよそ820万人ということですから、30年後には薬剤耐性が、がんよりも身近で、私たちの健康を脅かす存在になり得るのです。

私たちができること

抗菌薬・抗生物質が効かなくなる前に、私たちができること。それは、薬剤耐性について知り、正しく抗菌薬を使うこと。そして何より病気にならないのが一番です。感染症にならないために、あなたが今すぐできることがあります。

もくじ